強い紫外線に当たると日焼けや乾燥、シミやシワを増やすといった肌へダメージを与えることがよく知られています。肌へダメージを与える紫外線は、5月頃から9月頃までが強く、地域による違いもあります(図1)。
紫外線は、皮膚の細胞にダメージを与える「活性酸素」を発生させます。活性酸素は、乾燥や肌荒れの原因となるだけでなく皮膚の老化や免疫力の低下を招くため、なるべく早く発生した活性酸素を消去することが美肌を守ることにつながります。
活性酸素からからだを守る食事
活性酸素を消去する栄養素の代表が、ビタミンACE(エース)といわれるビタミンA(βーカロテン)、ビタミンC、ビタミンEの抗酸化ビタミンです。抗酸化ビタミンを含む食品を積極的に摂取することは、からだの内側からの日焼け対策にもつながります(図2)。
これらの抗酸化ビタミンは、自身を酸化することで効果を発揮しますが、酸化したビタミンEをビタミンCが還元することでその作用を再生することができるため、単一で摂取するよりも同時に摂取した方が効果を持続できます。
抗酸化作用の強いリコピンは朝食で摂取するとよい
ビタミンACE以外にも、トマトなどに多く含まれる「リコピン」は強い抗酸化作用があります。リコピンは脂溶性のため、少し油を加える料理(油いためなど)や油を適度に含む食品と一緒に食べると吸収が高くなります。また、リコピンは食品の細胞壁に含まれており、加熱することで細胞壁が壊れるため、体内での吸収率が高くなります。スープなどの煮込み料理がおすすめです。
トマトジュースを飲むタイミングについて検討した報告では、朝が最も吸収効率が高くなりました(図 3)。これは脂質代謝が朝に活発なことと関係していると考えられています。
リコピンは、トマトだけでなくスイカやグレープフルーツなどの果物にも多く含まれています。
適度に紫外線を浴びることは骨の健康にも大切
からだや美容に悪影響を及ぼすイメージのある紫外線ですが、適度に紫外線を浴びることは骨の正常な代謝に重要な役割を果たします。
体内のビタミンDは、食品に含まれるビタミンDを摂取するほかに、紫外線を浴びることにより皮膚でビタミンDが産生されます。ビタミンDは、腸管でのカルシウム吸収を助け、腎臓でのカルシウムの再吸収を促すなど体内でのカルシウム調節に大切な役割を果たします。
図4のように紫外線量が増える夏は、体内の活性型のビタミンDも増え、冬は減少します。そのため、冬や紫外線カット率の高い日焼け止めをよく使う場合は、食事からビタミンDを積極的に摂るようにしましょう。食品中に含まれるビタミンDはきのこ類に多く含まれるビタミンD2(エルゴカルシフェロール)と魚介類に多く含まれるビタミンD3(コレカルシフェロール)があり、魚は身より皮にビタミンD3が多く含まれます。