健康は、「食事」「身体活動」「睡眠」のバランスが適正であることが大切です。その中でも「睡眠」は1日の疲労回復や脳のリセット、成長期にはからだの発育においても重要な役割を果たしています。
必要な睡眠時間は年齢やからだの状況によっても異なり、一概に「〇時間寝なければならない」と言うことはできません。厚生労働省は、「健康づくりのための睡眠ガイド2023」において、成人は「適正な睡眠時間に個人差はあるが、6時間以上を目安として必要な睡眠時間を確保する」ことを推奨事項として掲げています。
一方、令和6年度の国民健康・栄養調査によると20-59歳の男性42.8%、女性40.9%が、睡眠時間が6時間未満という回答でした。また、現在の睡眠時間で休養が「まったくとれていない」「あまりとれていない」と回答した者が40-59歳の年代において約30%を占めていました(図1)。多くの研究報告でも、日本人の睡眠時間は短く、その内容も満足していないことが明らかとなっています。
快適な睡眠は、「量」や「質」ともに満足した状態であり、翌日目覚めたときに疲労の回復を実感し、「今日はこれをやろう!」という前向きな目覚めを実感することだといえます。
社会的時差ボケとは
近年、「社会的時差ボケ」により体調が乱れたり、週明けの集中力や体力が低下することが問題となっています。社会的時差ボケとは、休日に朝寝坊をすることで平日の睡眠不足を取り戻そうとすることで、毎週末、時差のある所に旅行に行っているような状態のことをいいます。(平日の就寝時刻~起床時刻の中間値)と(休日の就寝時刻~起床時刻の中間値)との差が「生活リズムの差=社会的時差ボケ」となります(図2)。
週明けの体調が悪かったり、集中力が発揮できないといった、いわゆる「ブルーマンデー」は社会的時差ボケが原因の一つとなります。学力テストの成績が良い人ほど休日の起床時刻が早く、社会的時差ボケが小さいほど学力テストの成績が良いことも報告されています(図3)。
このような社会的時差ボケを繰り返すことは、肥満や糖尿病などの生活習慣病やうつ病の発症リスクとなることが指摘されています。社会的時差ボケが2時間以上となると、週明けの体調不良やさまざまな疾病リスクを高めると考えられていることから、平日と休日の起床時刻の差は1時間以内に抑えた方が良いでしょう。
睡眠の質を高めるための朝食摂取
睡眠の質を高めるポイントは、
ことです。①や②はからだのリズムを整えることで睡眠リズムを整えることにつながります。③のからだを動かすことは、適度な身体疲労が質の良い睡眠へとつながります。
また、朝ごはんにアミノ酸の一種である「トリプトファン」の豊富な食事を食べた後に外出して日光を浴びると、食欲を調節するホルモンである「セロトニン」の分泌が活性し、夜になると睡眠を促す「メラトニン」の原料となります。「トリプトファン」は、乳製品や大豆製品、赤身の肉や魚などに多く含まれています。「セロトニン」による過度な食欲を抑えるという効果だけでなく、「メラトニン」による睡眠のリズムまで整えられ、一石二鳥の効果が得られます(図4)。